東北新幹線第2北上川橋りょうは、岩手県中央部の北上市郊外を流れる東北一の大河、“北上川”を横断しており、その長さは約1,025m(PC桁1連、下路トラス10連)を誇る長大橋りょうです。
トラス桁は上下線を支える複線式であり、下部の鋼桁と上部のトラス桁で新幹線の高速運転を支える構造となっている重厚な橋りょうで、周辺の田園地帯の中ではひと際目立つスケール感に満ちた景観を有しています。
この橋りょうは、1連あたり約6,200㎡(下部鋼桁2,200㎡・上部トラス4,000㎡)の塗装面積を有しているため、塗替えは毎年1連ずつ受注・施工させていただいています。
新幹線の走行に支障しない軌道面下の下部鋼桁については、吊り足場の仮設を行った後、主に日中時間帯で作業を進め約2か月を要しています。また、上部トラス部については、軌道面上のトラス部に抱込み足場を仮設すると共に、軌道面から約10m上空のトラスの天井部には上部吊り足場を仮設して塗装作業を行います。新幹線走行に支障しないことと、作業員の安全確保の観点から、最終列車通過後から始発列車前までの短時間の中で作業を行い、1連の塗替えには約半年かかりますが、清涼な北上川の流れと周囲の自然環境に留意して施工しています。